大きな家のボロキッチン
別居だったはずなのに! ある日突然の「壁紙選んでね」という義母の言葉に呆然、あれよあれよという間に同居のための改装終了。 卯年生まれの私も義母が雑事から解放された年齢になりました。うさぎが茨の道を脱出できる日はいつ?
友人と出かけた旅行は、運良く、咲き遅れたおかげで満開の桜吹雪を見ることができました。
楽しかったけれど、心にモヤモヤがあって気にかけつつ...
実は出発前夜に実母から電話があったのです。
なんでいつもこうなんだろう!心配と同時に苛立ちを覚えました。
明日に備えてもう寝ようと思った時間に電話はありました。
日付が変わる直前の深夜に掛けてくるのですからただ事じゃないと思ったのですが、よくよく聞いてみるとすでにかかりつけ医へ電話をし、明朝診てもらうことになったと言いました。
また下血したらしいのです。
原因は血液がサラサラになる薬の副作用らしいのですが、その薬も止められないのでどっちつかずになっての現状です。
素人の私には為す術などありませんが、以前に調べてみたところ、服薬でひどい貧血や腸管出血など本末転倒になっている方が少なくないという記述もあり、実母に忠告したことがありました。
とにかく病院へ行きたがるのです。
頭が痛いから、歯が痛いから、お腹の調子が悪いから。
話を聞くたびに、病院へ行ったと聞いてる気がします。
年をとれば体もガタが来て当たり前、ちょっとやそっとで病院へ行かずとも体を休めて様子を見ることも大切だと、薬ばかりに頼るのは良くないと注意したこともありました。
やむを得なかったとはいえ、結婚してから随分と距離を置いていたせいか、実母もまた年をとったせいか、聞く耳持たず?そんな感じでした。
深夜の電話は、下血の説明から始まって死ぬかもしれないと不安を口にし、最後は病院通いで生活が苦しいと。
すでに明朝の診察の手はずは整っているのだし、緊急性はないようで静かに横になって寝るしかない様子です。不安が高じて電話を掛けてきたのかなと思いながらも何が言いたいのかよくわかりませんでした。
正直、イラっとしてしまいました。
深夜に電話を掛けてきてどうしろって言うの?そんな気持ちがありました。
実母に悪気はなかったでしょうけど、明日の旅行に水を差された気がしました。
緊急性もなさそうだし、電話してきて愚痴っているうちに話はあらぬ方向へ行くのだし、今更キャンセルなんてできないと思う自分がいました。
電話を掛けた相手が私でなく、お嫁さんだったら...
想像したくありません。いい加減にして!そう思っても仕方ないです。
実の娘でありながら、冷たい!自分でそう思いました。
昔、出かけるたびに難癖をつけられ、出発間際にやることをやってから出掛けるものだと嫌味を言われたり、すべてが店と義家族の都合が最優先で振り回されてきました。
反撃と閉店と、今まさに自由への切符をつかみ取ろうともがいてる最中に実母ですか...
帰宅して、様子見に行くと死にそうだったという割に顔色も悪くないし元気そうに見えました。
お医者さんと相談して服薬をやめることになったと言います。
ほっとしたけれど、心のモヤモヤが取れてスッキリしたわけではありません。

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一時の涙にくれる感傷は過ぎ去りつつあります。
悔しさと虚しさと訳のわからない怒りは、無論くすぶったままです。
マザオはどうしたらいい?と聞いてきますけど、
簡単に答えられるものなら、とっくに解決してるのです。
随所に「母親がかわいそう」と思う気持ちが入った話で私の気を鎮めることなど出来るわけがありません。言葉に出さなくても、その気持ちは伝わってきます。
親子ですから...そこを捨てろとは言えません。
しかも、衝撃の事実が発覚しました。
義母の年金、私が思ってたより多かったのです。
二ヶ月に一度振り込まれる金額が四十万近かったのです。
私の今のお給料よりも多いじゃないですか!
それだけあれば施設へ入れるんじゃないでしょうか。
元気ピンピンの義母が自ら施設へ入るわけがないんですが。
契約が決まらず、苦しんでどうにもならなくてキャッシングを重ねてたあの頃も義母は知らん顔でした。いいえ、わずか月額五千円ほど家に入れてましたけどね。
なんに使っていたのか知らないけど、私たちと同じように「お金がない」と言っていたのです。
特別派手な生活にも見えなかったけど、あれだけ出掛けたりすればお金も使うでしょう。娘たちに、自分の姉妹たちに振舞っていたのかもしれません。
私の気持ちの中に、息子たちも一緒に貧乏の苦しさを味わってきたのに、奨学金という大きな借金を背負って社会へ出たのにという、悔しさが広がりました。
でも、もういいんです。
今更、月々わずか数万円もらったがために、義母に生活費を入れたなんて大きな顔されたくありません。たとえ、今百万円を義母のポケットマネーから出したとしても受け取りたくありません。
「あの時、お金をあげた」なんて、一生言われるのはまっぴら御免だから!
でも、貯金しない義母はお金など持っていませんけど。
あと三年、五年経ったら家計状況も随分と変わってきます。
びた一文渡さない!
私の我慢もそこまで。
泣いても嘆いても何も解決しないのだから、
あと数年後の夢を見て、もう少し耐えて行かないといけないみたいです。
どこか納得できない気持ちと虚しさは消えないけど。
現実はどうなるか、わからないけど。

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