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大きな家のボロキッチン

別居だったはずなのに! ある日突然の「壁紙選んでね」という義母の言葉に呆然、あれよあれよという間に同居のための改装終了。 卯年生まれの私も義母が雑事から解放された年齢になりました。うさぎが茨の道を脱出できる日はいつ?

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適当なこと言ってるだけ、惑わされてぬか喜びするほど空しいことはないと言い聞かせてたにもかかわらず、マンション探しが楽しくてなりません。

ですが、長年一軒家に住んだ環境と比べるとマンション生活もそれなりの制約がありそうですね。
分譲か賃貸か...

やっと返済の目処がついたばかりなのに再び大きな借金を抱えるのは御免です。
賃貸でそれなりの希望を叶えるものとなると家賃の桁が違います。

あれやこれや言っていたらマザオが言いました。
「まだ先のことで今から決められるわけじゃないから」
「まだ元気だし」

はあ?
義母は健康であろうがなかろうが施設へ行くんじゃないの?
昨日の話はなんだったの!
気分がどーんと重くなりました。











わかってたつもりだったのですけど、こうも簡単に手のひら返しに遭うとは思いませんでした。

明らかに機嫌を損ねた私の様子を見て、あわて気味に「今すぐって意味じゃない」とそれこそ意味不明の言い訳をしたマザオ。

自分の母親ですからね、元気なのに施設送りは忍びないのでしょうけど、
けどね、
私は何十年も家政婦扱いで堪え忍んで、我慢に我慢を重ねて、狭くてボロいキッチンのくつろげない家にいるのです。
そろそろ解放してくれてもバチは当たらないと思いますけど。

五十半ばになってもまだ我慢の人生、
目標に向かって少しずつ前進していると前向きになれる日もあれば、
残された時間といつ来るかもわからない自由を求めて、虚しさが止まない日もあって、
マザオの一言でどこまでも深く沈んでるなんて気付かないのでしょう。

残された人生がバラ色だったとしてもあと何年?平均したら普通以下じゃないの!?
そんな悲しい気持ちが広がってます。

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マザオが急にマンション探しを始めました。
事の発端は、時々出掛ける委託の仕事先で宿泊施設をホテルでなく共同のマンスリーマンションを借りる案が浮上したことです。

探していたのは仕事先の物件ではなく、自分たちの老後のマンション。
今の自宅を捨てて、駅近の物件に引っ越すのが漠然とした夢の目標でもあるから。









でも、この田舎ではそう思うような物件は見つかりません。
息子の近くで?近隣のもう少し大きな町へ?

息子の近くなどへ引っ越せば、それこそ義母と同等、お嫁さんには煙たい存在でしょうし、自分たちだって知り合いも友達もいません。一人になったらそれこそひとりぼっちです。

現実味がない分、妄想と理想はどんどん膨らんで、賃料二十万くらい出せば希望の部屋が借りられます。

二十万!!
非現実すぎて笑っちゃいます。
この田舎では住宅ローンだってそんなにかけずに結構な家が建てられると思います。
便が悪くたってタクシーを使えばいいじゃない?二十万も使わないでしょ?

何かと無理がある理想論でも、こんな家を捨てて駅近マンションへ引っ越すのは私の夢です。
実際は実現不可能でも、義母のいない、草抜きもしなくていい、広々したキッチンと心底安らげる空間が欲しい!

本当に引っ越す気があるなら六十歳までには行動を起こさないとお金も、体力も、まして年齢的にも貸してもらえないよ。
それにまだまだ健在の義母はどうするの...

マザオの答えは意外なものでした。
今は健康なうちから施設で生活する人もいるし、本人もそのあたりは考えてる様子だと言います。

飛び跳ねたいくらい嬉しかった。
あと十年経たずして義母とおさらば?

そういう施設に入るにはかなりの資金が必要です。
葬式代もないくせに寝言も大概にしろ!

はあー、夢のまた夢の話でした。

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