大きな家のボロキッチン
別居だったはずなのに! ある日突然の「壁紙選んでね」という義母の言葉に呆然、あれよあれよという間に同居のための改装終了。 卯年生まれの私も義母が雑事から解放された年齢になりました。うさぎが茨の道を脱出できる日はいつ?
雑貨屋さんが閉店します。
雑貨屋さんといっても家具から衣類まである無印良品店みたいなお店です。
私はこのお店で婚礼家具を買いました。
当時、一般的だった重厚で大きな婚礼箪笥でなく、カジュアル家具のようなナチュラル感が気に入って何度も足を運んでいました。
マザオと二人で店内を回っていた時に店主の方が声をかけてくださり、後日、家具の製造元へ連れて行ってくださったのでした。
素人目にはわからない引っ掻き傷があるだけで信じられないくらいの破格なお値段の家具もあり、オーダーもあり、倉庫で眠っていたから大きな値引きありと、迷いに迷って二度三度訪れて購入した経緯があります。
婚礼家具と称されていたものとは少し趣が違う家具が欲しくてお店を訪れた私たちを、いたく喜んで家具選びをお手伝いしてくれたのでした。
大満足で揃えた家具を遠回しの嫌味で迎え入れた義母です。
裏の御宅はお嫁さんの嫁入り道具をみんなにお披露目したとかね。そのお嫁さんは呉服問屋のお嬢様で素晴らしい嫁入り道具だとかなんとか。
カジュアル家具ではとてもお披露目できないとでも言いたかったのでしょうか。
お披露目なんていつの時代の話だと思いながらも、まだ良い嫁になろうと一生懸命で鈍感だった私はただの世間話としか受け取っていませんでした。
義母はマザオが中学生の頃に総桐の和箪笥セットを百万円で購入したそうです。
それが自慢のようでした。
私の嫁入り道具の箪笥は百万円もしませんが、安物ではありません。
でも、見た目にカジュアルな目新しいものは義母のお眼鏡にかなわなかったのですかね。使うのは私たちなんだからほっとけやって感じですが。
格下に見下げれた私の嫁入り道具は三十年を超えても引き出しもスムーズで底板もしっかりしたものです。ドレッサーの椅子に貼られた生地が薄く擦り切れて来ましたが、ガタつきひとつありません。
義母が自身の嫁入り道具を買い換えるまでの時期よりずっと長い間、毎日の使用に耐えてる私の嫁入り道具です。
お店の閉店で思い出しました。
ババアの箪笥よりずっと丈夫でセンスもいい!と一人勝手に勝ち誇ってみました。
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この記事へのコメント
道具のお披露目なんて時代錯誤も甚だしい。
素晴らしい道具なら良いのかってことですが、
きっと姑さん的には、うーさんが1千万円の道具を持ってきても何かと文句を言いたいのだと感じました。
例えば部屋にタンスの色が合わないとか言って難癖をつける、そんな人のように見受けられました。
相手にするには余りにもうざ過ぎます。
Re:道具のお披露目なんて時代錯誤も甚だしい。
あれから三十年近くが過ぎて、裏の家の件以来、嫁入り道具のお披露目なんて聞いたこともありません。
だいたい、私が持ってきた食器棚は今現在も義母が使ってるんです。ボロキッチンを作った時に置き去りにしたままだから。悔しいから取り返したいような、義母の手垢にまみれた食器棚はもういらないような、なんとも言えない気持ちです。