大きな家のボロキッチン
別居だったはずなのに! ある日突然の「壁紙選んでね」という義母の言葉に呆然、あれよあれよという間に同居のための改装終了。 卯年生まれの私も義母が雑事から解放された年齢になりました。うさぎが茨の道を脱出できる日はいつ?
ボロキッチン部屋から全開の窓の外をぼんやり見ていたら、ご近所さんの家の窓に防犯会社のシールが貼られていました。
この御宅は新築の大きな二世帯住宅です。
核家族で戸建てに住んでいたのですが、お子さんたちが結婚したのを機に奥さんの両親と同居をすることになったそうです。
こんな話を聞いて羨ましすぎてめまいがしたほどです。
二世帯住宅なら留守になることもないでしょうに、防犯会社に加入するなんてよほど余裕があるのでしょうね。
そのシールが目に入っただけで別世界が目の前に広がっているようでした。
どんなに素晴らしい人生なんでしょう!
そう思わずにはいられませんでした。
二人で作り上げる家庭
商売屋の同居嫁だった私にはそんなものはありません。
人は気の持ち様だというかもしれませんが、とにかく店のことが一番で新婚なんて感覚は持てませんでした。
子育てさえも店が優先ですから。
実父の死をきっかけにやっと手に入れた自分の空間がこのボロキッチンの部屋です。
それはそれは嬉しかったですし、この部屋ができたおかげでどれだけ救われたことか。
贅沢言うな...
頭では理解できることも心は納得しません。
もう二十年近く小さな間に合わせのキッチンに立って来ました。
洗面所もなく洗顔や歯磨きもこの流しでやって来ました。
お風呂に入るタイミングを逃して、この流しで髪を洗い、濡らしたタオルで体を拭いたことだって何度もあります。
トイレに入るのも玄関を通るのも精神的苦痛が伴います。
義家族に会わないよう会わないよう始終注意して過ごす生活は自宅であって自宅ではありません。
ボロキッチンの部屋に飛び込んでやれやれと思うと同時に、今度は音が漏れないよう気を使いテレビもつけません。私の人生ってなんだろうと思うこともしばしばです。
そうそう、その御宅は草抜きをしなくて良いように庭は土の部分を極端に少なくしてあります。
羨ましいことだらけです。
虚しくなって、ぼんやり眺めているだけで涙がこぼれました。
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この記事へのコメント
無題
Re:無題
いつも応援をありがとうございます!^^
無題
他人様なのに同じような事柄に頷きながらいますよ。でも私にはあなたが羨ましいです。
なぜならお姑さんお一人だから。笑
我が家は90の姑と86の舅が揃って健在です。
認知症の父のことを思い、防犯会社への契約も考えています。私は防犯会社のシールを見ると、認知症の方がいるのかな?と思っています^ ^
人は気の持ち方次第で景色も変わります。
Re:無題
隣の芝が黄金色に輝いて見える私ですが、このブログに共感のコメントをいただく度に反省と気の持ち様を再認識しています。
防犯会社の契約はそういったニーズもあるのですね。
見方を変えれば景色も変わる、納得です。
なかなかうまい具合に自分をコントロールできない私ですが、まだまだ頑張らねばなりません。
自分の気持ちに折り合いをつけながら楽しいことを見つて行こうと思います。