大きな家のボロキッチン
別居だったはずなのに! ある日突然の「壁紙選んでね」という義母の言葉に呆然、あれよあれよという間に同居のための改装終了。 卯年生まれの私も義母が雑事から解放された年齢になりました。うさぎが茨の道を脱出できる日はいつ?
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私の友人が来るたびに、「あら!?、お店は?」と大袈裟に驚いて、早く店へ行けと言わんばかりの態度の義母にいい加減頭に来ていました。
私のところやって来る人は滅多にいません。
同居でお店へ出っぱなしなのを知ってるから。でも、それだけじゃありません。
必ずと言っていいほど義母の邪魔が入ります。
お店はいいの?、もう銀行へは行ったの?、わざわざ私たちの部屋をノックして帰れといわんばかりの台詞を吐きに来るんです。
ボロキッチンが出来る前の完全同居時代は友達なんてひとりも来ませんでしたし、来て欲しいとも思いませんでした。お招きする部屋も時間もなかったしね。
せっかく改装して、キッチンも出来てお茶も淹れられるようになったのにこの有様でした。
そのうち、だれも来なくなりました。
この報いは必ず受けてもらう!と思っていましたが、なかなかチャンスはやって来ませんでした。
詳しい経緯は知りませんが、義母の趣味で集まってる会で、外国から来日してくる人をホームステイさせて長期滞在しながら交流する企画があったようなのです。
そのお仲間の中で年長者でもありリーダーきどりの義母が、相談もなく勝手に我が家でのホームステイを了承してしまいました。
その初日にはお仲間も集まって、食事会をするとかしないとか。
冗談じゃありません!
ついに反撃するときがやってきました。
このブログにも何度も出て来るお風呂問題、うちの間取りの関係で私は自宅のお風呂へ入るのも四苦八苦してるというのに、見ず知らずの人がホームステイだなんて!
それに普通のサラリーマン家庭と違って、当時の私たち夫婦は朝から晩まで店で働き夜遅くに帰宅する生活でしたから、せっかくはるばる日本に来たのに誰がお世話するんですか?って話です。
来た人だってババアひとりと食事なんてがっかりじゃないですかね?ステイ先大ハズレだと言われるに決まってます。
これにはマザオも全面的に反対で、なんとしてでも断って来いと押し問答が続いたのでした。
義母が自分の提案をすぐに引っ込めない理由のひとつを推察するに、自分から買って出たのではないかと思われました。いい顔して「うちで」と言った手前、断れなかったのでしょう。
マザオがいない時を狙って私にすり寄って来る始末で、無理だと言っても聞く耳持たずでした。
いつまでもグズグズ言って断らない義母に鉄槌をくだすときがやってきました。
長男が高校生の時、交換留学生として短期留学へ公費で行かせてもらいました。
翌年、来日する留学生のステイ先にうちはどうか?と高校側から打診されたんです。お世話になったから当然ともいえますが、家庭の事情もあり丁重にお断りしました。
家庭の事情って、義母に大反対されたからです。
とんでもないって。
その話を蒸し返してやりました。
孫のホームステイを断ったくせに虫が良過ぎませんかって。
義母はお断りするのに相当難儀したみたいです。
この一件以降、うちで毎月恒例だった義母仲間のお茶会はなくなりました。
知ったこっちゃない!
ざまあみろ!!

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ばったりと懐かしい友人に会いました。
何年も疎遠になってる友人です。
ボロキッチンが出来た当初、完全同居の友人はとても羨ましがっていました。この人もサラリーマン家庭から商売屋へ嫁いで来て辛酸をなめてます。
でもこの友人の家はかなり裕福です。
同居してるからこそ金銭的には余裕があります。それに義父母が孫へ残すといって貯金をしていて、さらにはなにかと援助があるようでした。
うちとは大違いです。
友人はボロキッチンが出来てからうちへ立ち寄ったことがあります。
おおよその事情は飲み込んでいるので用が済んですぐに帰ろうとしたのを私が引き止めました。
ボロキッチンが出来ているのだからお茶を飲むのも自由です。
心のどこかに息をひそめてる自分も混在していたのですが、店へ行く前にお茶を一杯出したところでどうこう言われる筋合いはないと虚勢を張る自分もいたんですね。
それくらいボロキッチンの完成が嬉しかったんです。
狭くて小さくて安物の部屋の片隅にくくりつけられた「流し」ではありましたが。
友人も「じゃあ、ちょっとだけ」と玄関でない掃き出し窓からあがってきました。
小学生の秘密基地ごっこの感覚です。
インスタントコーヒーをどこかの景品でもらったマグカップにいれてふたりでクスクス笑ったことをなぜか覚えています。
「そろそろ帰るね、仕事行くでしょ?」
時間はまだ少しあったけど、友人が気を使って言ってくれたのを機に立ち上がりました。滞在時間わずか数十分だったと思います。
部屋へ入って来た所と同じ掃き出し窓で靴を履いてる時、義母がやってきました。
「あら!お店は!?」
そんなに大袈裟に聞く事ですか。まだ早いし、お客様は、今帰るところですけどね!
私への訪問者はいつもこの手でやられた!
そのうち誰も来なくなりました。
だから、仕返ししてやった!
仕返しの話は次回にします。

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