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大きな家のボロキッチン

別居だったはずなのに! ある日突然の「壁紙選んでね」という義母の言葉に呆然、あれよあれよという間に同居のための改装終了。 卯年生まれの私も義母が雑事から解放された年齢になりました。うさぎが茨の道を脱出できる日はいつ?

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職場でお餞別を集めました。
急なことでもお財布からすぐに出せる安堵感といったらないです。

そんなに大きな金額ではありません。
五百円ずつふたり分、千円です。

その千円すら持ち合わせてない財布を持ってた日々が長過ぎて、この前などATMから出て来る紙切れだと思い込んでお札を丸めてしまうところでした。

紙幣の入ったお財布を見たら、なぜかあの日のことがまざまざと思い出されました。











次男の高校の入学式の前夜、準備をしていて真っ青になりました。
確か、四万円ほど現金で持参しなければいけませんでした。他にも辞書や副教材もその場で購入するようで、その代金も持っていかなければなりません。

前夜になって慌てふためく、まるで宿題をやっていない小学生ですね。
店や家のことに追われ、ざっとしか目を通さなかった諸々の書類の中にその明細表は紛れていました。前夜といっても日付が変わる寸前の夜中に気づいた大バカ者です。

店の売上金は、両替や日々やってくる業者さんへの支払いもあって手をつけたら足りなくなるのは分かりきっています。が、背に腹は変えられず、お札にアイロンをかけて体裁を繕って用意しました。一万円札二枚と千円札二十枚だったかな、掻き集めましたよって宣言してるような揃え方でした。

大騒ぎで用意した時に教材のことはすっかり忘れていたのです。
入学式の会場入り口でほぼ持ち合わせたお金全部を吐き出し、スッカラカンの財布を持ってすました顔で入学式を終えました。

その後、学級懇談、教材購入などクラスごとに回る順番が発表されました。
真っ青になりました。
教材費など残っていません。

クラスごとにローテーションが組まれているので中学で親しかったママ友に借りることも出来なさそうでした。

どうしようどうしようどうしよう
この時も激しく動悸がして目眩がしてきたのを覚えています。

力なく列に従ってズルズルと歩いていると、後ろから私の肩をちょんちょんと突つく人がいました。私の高校時代の部活仲間で、偶然にも子供同士が同じクラスでした。

「辞書どうする?」
彼女はたぶん、電子辞書にするか書籍タイプにするかという選択を聞いて来たと思うのです。
でも私の口をついたのは、「お金忘れちゃった!」だったと思います。

「バカだねえ」
豪快に笑ったあと、さっと一万円を差し出してくれました。
余分に持ってるから大丈夫だと言って。

辞書は電子辞書を個人で購入することにして、その場で買うのはやめました。
というより、買えませんでしたから。(笑)

あの時の心臓バクバクはしばらく忘れることが出来ませんでした。
似たようなことが大学入学時にもあって、本当に日々綱渡りの生活だったんだなあと今更ながらに感慨深く思い出すのです。

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