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大きな家のボロキッチン

別居だったはずなのに! ある日突然の「壁紙選んでね」という義母の言葉に呆然、あれよあれよという間に同居のための改装終了。 卯年生まれの私も義母が雑事から解放された年齢になりました。うさぎが茨の道を脱出できる日はいつ?

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今月は私の誕生月です。
また一つ歳をとってしまいます。

はあー、
私の体はどんどん老いていくのに、義母は逆行してるのではないかと思えるくらい元気ハツラツです。

五十を迎えるまでの私はそんなに年齢にこだわりを持っていませんでした。
周囲のまた歳を取ってしまうという会話を聞いては、人間だから当たり前みたいな冷めた感覚?
それだけ生活に必死で早くこの苦しい時期を通り過ぎてほしいという気持ちがあったからかもしれません。

それがここ二、三年は「もう五十」と思い、その五十代の早いこと!
がむしゃらに生きてきた年月を振り返る余裕ができた分、感慨深いというか憂いの気持ちを強く感じたりします。
これも更年期障害の一つかもしれませんけど...。











どちらかといえば楽天的な性格です。
それは、苦しかった時代に見え隠れしながらも根底にあったからこそ乗り越えられたんだと思っています。

やっと少し地上へ這い出して、ささやかな贅沢をたまには味わえるようになりとても前向きな気持ちで毎日を過ごしていました。
義母の件はさておいての話ですけどね。

ここのところ、過度の心配というか何事も悪い方へ考えてしまい、ちょっとだけ沈みがちな毎日です。心配性の友人の話を聞いては、どうしてそこまで心配するのか理解しがたく「大丈夫だって、なんとかなるよ」と言っていた私が、です。

何が不安かと言われると即答できないのですが、
体がだるければ健康で働けるのはいつまで?とか、
お金のことを考えれば予定通りにいかず結局元の木阿弥になりはしないか?とか、
息子たちが心身ともに健康で日々を過ごせているか?とか、
小姑たちがいつかまた昔のようにこの家に入り浸りにならないか?とか、

あげればきりがなく、今考えてもどうしようもなく、また自分でも取り越し苦労だと失笑しつつも生活の隅々までが心配の種です。

一過性のものだとは思うのですけど。
こんな状態で仕事中もふとぼんやりしてしまいます。
お金を扱う仕事ですから注意力散漫はいけません。
でも、いかんともしがたく、コントロールできないのです。

何が不安なのか自分でもわからなくて困ってます。

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九月になりました。
暑い暑いと唸っていたのにここ二、三日は朝夕にほんの少しの秋の気配を感じます。

そして、最近のマザオは「お袋」を連発しています。
「こんなに暑くてお袋、大丈夫かなあ」
「家の中で熱中症になるっていうから、お袋...」
「おふくろ、ちゃんと食べてるかな」
なんにつけてもお袋さんが心配な様子!

「黙って聞いてればいい気になって!」
私の心境はこんなです。

仮に口に出したとしたら、マザオは顔を歪めながらも多少の気遣いでその言葉を引っ込めるのではないかと推測します。
だったら言えばいいのか...、そんな単純な話にはならないのです。「人としてどうなの?」かつてのこんな言葉が頭をよぎります。
なので、私一人が勝手に憤慨し、勝手に矛を収め、勝手にイライラしています。

息子の結婚費用のこと、実母のこと、考えることはたくさんあるのに、能天気に「お袋」を連発するマザオに怒りを覚えてしまいます。そっちこそ勝手だと言われたら身も蓋もありませんけど。

それに加えて今朝...











タウン誌が郵便受けに投函されていました。
いつもはさらっと見て捨ててしまいますが、
マザオが裏表紙の広告に気づき、見てみるとランチクーポンが載っていました。

長男が帰省するといつも仲間と出掛けているお店でした。
安くて美味しいと聞いていたものの、私とマザオは行ったことがありません。

「行ってみる?」
即座にマザオが言いました。
「安いね!」
答える私、この夫婦、貯金のために節制するといった端からこれです。
ダメっぷりはひとまず置いといて、そのタウン誌はすぐにゴミ箱行きとはならず、横へ置いときました。

洗濯物を干して部屋へ戻ると、さっき置いたばかりのタウン誌がありません。
あれ?ここへおいたはずなのに。

マザオが、
「ああ、お袋も見るかなと思って。」

カッチーン!!です。
なんでタウン誌まで共有しなきゃいけないの?

「クーポンはどうしたの?」
私は努めて冷静に聞きました。
後で持ってくるというマザオ。
嘘ばっかり!


節制して貯金するはずが、クーポンごときでランチへ行こうとする方が大罪なんですけどね。
お袋お袋お袋、それが嫌なんです!

「醤油のシミがついたらどうしてくれるの!?」
ついに炸裂しました。
義母は手紙や書類を食卓へ放り出してシミを付ける名人です。
昔からそれが嫌でたまりませんでした。だらしない!

すぐに立ち上がってタウン誌を取り返してきたマザオですが、どことなくイライラを抑えているようでした。

節制と言いながらランチクーポン一つで醤油のシミ問題まで引っ張り出し、あわや夫婦喧嘩寸前?
お互いのイライラを感じながら、そして、お互いに自分のイライラを隠そうとする滑稽としか言いようのないバカップルです。

根底はマザオの「お袋」が気に入らないだけ、つまり義母なんだと思います。

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