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大きな家のボロキッチン

別居だったはずなのに! ある日突然の「壁紙選んでね」という義母の言葉に呆然、あれよあれよという間に同居のための改装終了。 卯年生まれの私も義母が雑事から解放された年齢になりました。うさぎが茨の道を脱出できる日はいつ?

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床の張り替え、それも一部分というわけにもいかないだろう。
いったいどれくらい掛かるのか。

カツカツのお給料しか貰ってないのに、そんな費用を捻出出来るわけもなく、それを承知の上での「実家で出してもらえ」発言だと思います。

ガンによる余命宣告を受けた実父とパートタイマーで生活を支える実母に対して、剥離剤で床をダメにした文無しの娘に代わって弁償しろと?

悔しさと後悔と情けなさでなにも答えることができなかった私。




そこへ、マザオが店から帰ってきました。

剥離剤の撒き過ぎでどうにもならなくなった私は、店で働いてるマザオにSOSの電話をしていました。普段なら絶対帰らない、というか帰れないはずなのですが、この時は帰ってきてくれたのでした。

あとから聞いたところ「ただならぬ気配があった」そうです。確かにね、絶体絶命だったから。


「なんで剥離剤なんかやったんだ?」
マザオの質問に、怒り心頭で騒ぎ立てていた小姑が黙りこくりました。

そうだよね、アンタがやれって言ったも同然だし。「手伝う」なんて言葉は辞書にないけど、「命令」はいろいろしてくれるよね。


マザオはネチョネチョになったワックスの上に再び剥離剤を掛けて、30センチくらいの水切りワイパーのような道具で掻き取り始めました。集めて小山になった残骸を私が取り水拭きをする、こんな役割分担でなんとかワックス剥離は終わりました。

あとはワックスを2度3度と重ね塗りをして、なんとか体裁を繕う事ができたのでした。

マザオが店へ戻り、私はみんなのお弁当を買いに走り、人心地ついたのは夜9時を回ってました。


その後、不動産屋の娘である友人にこの顛末を話して、床の張り替えってどれくらいするのか聞いてみました。張り替えるつもりはなかったけど、どれくらい掛かるものなのか知りたくて。

「張り替えにいくら掛かるかはケースバイケースだけど、子供を抱えたあんた(私の事です)が、なんでひとりでそんなことしなくちゃいけないの!」と憤慨してくれ、知り合いのお掃除業者さんを紹介してくれたのです。


この剥離剤事件以降、私はワックス掛けをやめました。
紹介してもらった業者さんが、破格の安さで年2回、うちに来てワックス掛けをやってくれたのです。

なにがどう伝わったのかわからないけど、この業者さん、すごく同情してくれまして、年末には廊下や階段まで滑らないワックスを、私しかいなければ業務用の洗剤と機材で水回りも掃除してくれたんですねー。もちろん、お支払いはきちんとしましたけど、ありえない格安なお値段でした。


いくら安いといっても、自腹ですからね、痛い出費でした。
だけど、もう懲り懲りだったし、1日中背中にくくりつけられた子供だってかわいそう!

そんな、汗と涙とワックスの床
簡易二世帯へ改装後、メンテナンスは私の手から放すことができた。そして、お掃除業者さんともお別れをした。だって、自分たちのスペースはただの1度も頼んだ事ないし、義家族のLDKのワックス費用を私が払うことないもんね。


あれから10年、いいえ15年、


1回たりともワックスを掛けていません!


それどころか、床を拭いてる姿をみたことがない!


あれはなんだったんだ!?と叫びたい私です。


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新築してからの掃除はもう大変の一言だった。

面積が増えたこともあるけど、ワックス掛けの強要が一番の要因かな。

強要というと人聞きが悪いけど、「掛けた方がいいね」なんて会話があれば、「掛けなさい」ってことだからー。

いろいろあって簡易二世帯へ改装し台所が完全別々になるまで、20畳は超えるLDKを三ヶ月ごとにワックス掛けしました。 8人掛けの大きなダイニングテーブルやリビングのソファやラグを移動しての大ワックス掛け大会、子供おんぶの状態でやってました。




当時は、クイックル ワックスシートのような簡単にワックスが掛けれる用具もなかったように思います。その悪魔のワックスデーのサイクルはすぐにやってきてウンザリした記憶しかない。
ど素人の、雑巾掛けとただ重ね塗りを続けるワックス掛けは年月とともに徐々に床が黒ずんで来たような。

どうしても細かい埃や髪の毛なんかが層と層の間に混ざりこんで、ゴミのミルクレープみたいな?


「ワックスって塗る前に前のを剥がさないといけないみたいよ。」

小姑の鶴の一声でワックス掛けの前に剥離作業が決定いたしましたー!


ホームセンターで探すとワックス剥離剤なるものが置いてありました。
使用方法を読んだ感じでは、家庭でも簡単に出来そうだったので買って帰りました。

床の端っこで試してみたら、おもしろいようにワックスが取れます。
これなら出来そう!さっそく作業開始。

剥離剤を塗って、溶けたワックスをスクレーパーですくい取り、雑巾で床を水拭きをするという手順をちまちまやっていたんでは時間が掛かって仕方がない。

剥離が終ったら、ワックスを塗って、乾いた頃を見計らって家具類を元に戻し、7人分の夕食を準備しなくてはいけないのに全然間に合わないー。

もう少し守備範囲を広げてやってみたところ問題なく出来そうです。
私は深く考える事なく、剥離剤をもっと広範囲にドバッと撒いてしまいました。


床全体がネチョネチョになって、どうにもならない状態に!!
何年も積もりに積もったワックスを剥離剤で溶かすのですから、それはもうすごいことに。

小さな範囲なら溶けたところをスクレーパーですくってOKなんだけど、広範囲になるとすくい取りきらないうちに水分が蒸発してワックスがネチョネチョのゴム状になり、そうなるともう女の力ではどうにもならない。

半べそで必死で掻き取ったせいで、所々床に筋傷がー。
それにワックスが取れた床は、水分を失ったカサカサの艶も光沢もない白木のような状態。

とんでもない事態となってしまいました。

どうしよう どうしよう

心の中で鶴の一声を発した小姑を恨みました。
逆恨みかもしれないけど、あんなこと言われなきゃゴミのミルクレープを作り続けただけのこと。


キャー

ついに帰宅してしまった小姑は、こんな具合に叫びました。
普通、ああなるかも、という状態だったので仕方なかったと思います。

私はといえば、朝からのおんぶで肩に食い込むおぶい紐の痛さも忘れてうつむき、必死で涙を堪えてました。涙だけは見せたくなかった。


床の張り替え費用がなければ私の実家に出してもらえとまで言った鬼小姑。
あの時は、途方に暮れて、「死んじゃった方が身も心も楽」なんてことを思ったりしたのでした。


今は、「絶対にしあわせを掴むまで図太く生きてやる!」と思ってますのでご心配なく。(笑)

この話はまだ続きます。


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